クローンで増える苔

2013-03-05

よく管理された苔庭では、ホソバオキナゴケやオオスギゴケ
ハイゴケなど少数の種類が広い面積を占めています。

同じ傾向は自然界の中でみることができ
例えば針葉樹林ではイワグレゴケやタチハイゴケが
大きな集団を形成していたり、寒帯に広がる混交林では
いけどいけども二種だけが見渡す限り広がります。

イワダレゴケとタチハイゴケ以外にも
コウヤノマンネンゴケは山道沿に広がる群落をつくるなど
多くのコケ植物が集団をつくっています。

有性生殖をおこなわない種類の場合
おそらく日本にあるすべての個体が
同一の下部からできたクローンである可能性があります。

中部地方の唐松林ではテヅカチョウチンゴケという
蘚類の仲間を調査したところ数キロ離れた二カ所で計100の個体が
すべて遺伝的に同じであることがわかりました。

湿地に生えているオオミズゴケはほとんど胞子をつくらないため
クローン集団をつくっている可能性が高く、50m×100mの
オオミズゴケ集団を60箇所調査したところすべてが同一の
個体である結果となりました。

また逆にアカゼニゴケの調査では
数十センチサイズの群落が遺伝的に
複数の個体が混じり合っていることが分かります。

このように、苔の集団ひとつ見ても様々なのです。

環境を受け入れた苔植物

2013-03-01

乾燥に対しコケ植物は2つの反応に大きくわけることができます。
積極的に「適応」すること、もう1つが「受容」受け入れること。

組織が複雑化している高等植物では「適応」が発達しています。

高等植物は乾燥に対し
照葉樹は葉の表面に熱いクチクラ層を発達させ
落葉樹は葉を落とすことで蒸散量を抑え
一年草は枯れ種子になって生き残り
サボテンやトウダイグサの仲間は葉がトゲに変化して
蒸散を抑え貯蔵組織を発達させ
灌木類は地下深くの水脈まで根を長く伸ばし
ベンケイソウ科やパイナップル科は夜のあいだ葉の気孔を開き
呼吸による水分消失を最小におさえ
エアープランツは空気中の水分だけで生きてゆける
など様々な手法で「適応」しています。

コケ植物などの下等植物は体の構造が単純なため
高等植物のように工夫しようがありません。

蒸散を防ぐクチクラ層
深くから水を吸い上げる根
貯蔵組織などはなく

茎から蒸散を抑えれるよう表皮を透明にして
直射日光を反射したり乾くと葉を折りたたんだりと
乾燥に対し防御策を施していますが
十分に昨日しているとは言えず「受容」という
生き方を選んだのです。

乾燥すると積極的に乾き、一時的に休眠し
水分が得られたタイミングで水を吸収し
再び光合成を開始しよう

これがコケ植物が周りの環境をあるがままに受け入れる
「受容」の生き方なのです。

この性質はコケ植物や地衣類あるいは少数のシダ植物にみられ
「変水性」と呼ばれています。

受容の特性があるからこそ
河原の岩上や石垣、木の幹など
他の植物が定着しにくい環境dえも
コケ植物は生きてゆけるのです。

また、高山や極地の気温が低い場所でも
乾燥することで細胞内の凍結を避け
普通では生きてゆけない低温でも耐える事ができます。

乾燥耐性が発達している植物は強い光によって起こる
様々な障害にも対応が必要で、光障害の原因で光合成により
生じる活性酸素を制御する能力を身につけています。

このように乾燥を受容したコケ植物は
進化の過程で環境を受け入れてきた歴史があるのです。

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