苔のオスとメス

2015-02-11

コケ植物における雄雌性、つまり男と女はとても複雑になっており
大別すると「雄雌異株」と「雄雌同株」にわけることができます。

「雄雌異株」は精子をつくる造精器がある雄植物と
卵がつくられる造卵器がある雌植物と個体となり動物の場合と似ています。

「雄雌同株」は造精器と造卵器が同じ個体上につくられます。
苔の場合は地下茎や仮根系で地下部がつながっていることもあり個体の識別が難しいことや
成長段階や生育環境によって雄雌同株なのに雄・雌どちらかの性しか示さない場合もあり
判断することが難しい場合があります。

 
 
雄雌同株の分類

雄雌同株は生殖器官の場所によっていくつかのタイプに分けられます。

コケ植物の場合は造卵器が普通葉と酷似し
生殖器官は必ず葉が変形した包葉によって保護されています。

雄雌同包同株

造卵器と造精器がともに同じ包葉内に混生する場合を雄雌同包同株といいます。
蘚類にその例が多くあり、苔類ではしられていません。

雄雌異包同株

造卵器と造精器がともに異なる包葉内にある場合を雄雌異包同株といいます。
蘚類・苔類どりらにも良くみられます。

雄雌列立同株

茎の先端に造卵器をつけた包葉があり
その直下に造精器をつけた包葉がある場合を雄雌列立同株といいます。

苔類では普通にみられますが、蘚類ではごく少数の例外を除き見つかっていません。


 
 
なぜ自家受精するの?

雄雌異株の場合は必ず異なる個体間でおこることになりますが
同株の場合は自家受精することができます。

これは相手がいなくても胞子体をつくることができる利点があり
高等植物では自家受精をする種がたくさん知られています。

ところがコケ植物では特別な問題が発生するのです。
コケ植物は半数体植物であり、通常の体細胞分裂によって
卵と精子が作られるため遺伝的には同質なのです。

コケ植物が自家受精すると遺伝的に同質の卵と精子が受精することになります。
これは、遺伝的に異なる卵と精子が出会い親とは異なる性質の子孫をつくり
様々な環境条件への適応や病気への抵抗性を維持するという
有性生殖の本来果たすべき役割が達成できません。

これでは、無性芽をつくり増えているのとなんら変わりがありません。

この自家受精が自然界の中でどのぐら起こっているか
ほとんど研究データはなくよくわかっていません。
 
 
胞子のオスとメス

胞子が発芽すると原糸体をつくり、そこから植物対が形成されます。
雄雌異株では胞子の段階で雄と雌が分化しており一つの胞子嚢の中に混同しています。

胞子は性の違いにより大きさがことなっており
大きい胞子が雌植物に、小さい胞子は雄植物になります。

これは異型胞子性と呼ばれ、蘚類だけで見ることができ
苔類ではまだ見つかっていないようです。

大きな雌胞子は通常の植物体へと成長するのですが
小さな雄胞子はとても小さく雄植物の1/100にしかならない雄が育ち
このような極めて小型の雄のことを矮雄といいます。

矮雄は数枚の葉をつけるだけでほとんどが造精器が占めおり生殖だけに特化しており
胞子を飛ばした母親である雌植物の上に落ちたときだけ役割を果たします。

矮雄は雄雌で胞子の大きさが異ならない同型胞子をつける種も見られます。
雄胞子は地面に落ちたとき通常どうり成長し雌植物とどうよう育ちますが
雌植物の上に落ちた時だけ矮雄になります。

これは雌が出す植物ホルモンによって矮雄へと強制的に変化されられているようです。

なぜこのような仕組みができたのかは不思議ですが
一説には熱帯に期限したコケ植物が北へと分布を広げる際に発達した機能とも言われているます。


 
 
まとめ

・コケ植物は「雄雌異株」と「雄雌同株」がある
・「雄雌同株」いくつかに分類できる
・同株の場合は自家受精することができる
・胞子には雄と雌がある

苔は地球温暖化の抑制に貢献している

2015-02-04

大気中の二酸化炭素などの温室効果ガスが
人間活動に伴って増加することで
大気が暖まる「地球温暖化」。

大気中のCO2は植物が光合成することで減少しますが
そのスピードより早く人間がCO2を大気に放出する結果
地球温暖化が進行していきます。

多くの人は森林がCO2を吸収していると思い浮かべるでしょう。
しかし、植物遺体の分解によって排出されるCO2量がそれを上回っており
CO2供給源になっているところもあるのです。

それに比べ、主にミズゴケなどで構成される湿原は
何千年というとても長い時間単位でCO2を吸収し貯めこんでいます。

ミズゴケが多い高層湿原はユーラシア大陸や北米大陸北部に広く分布し
陸地面積の約3%にもなります。

日本では中部地方の萍郷1200メートル以上の地域や
東北地方、北海道でみられます。

北方域の湿原地帯には泥炭とよばれる植物遺体の堆積物があり
そこには熱帯雨林の2~3倍にあたる約6000ギガトンもの
炭素を貯蔵しているといわれており、大気中に存在するCO2の炭素量と同じになります。

これらの泥炭地のほとんどでミズゴケの仲間が生息しており
炭素固定において重要な植物とされています。

北方の湿地帯に広がる泥炭のほとんどは
苔からできたもので、多くのCO2が固定されています。


 
 
 
なぜミズゴケ湿地では分解が遅いか

ミズゴケ湿地で分解が遅い理由の一つに酸素条件が挙げられます。

ミズゴケの細胞壁に水中のアルカリ性を示す陽イオンが吸収され
代わりに水素イオンが水中に放出されることが要因とされています。

ミズゴケは周辺の水を酸性化しそれが分解速度を遅くするのです。

ミズゴケ湿地の分解速度を遅くするその他の要因としては
窒素に対する炭素の割合が高く微生物の活性化が妨げられていること
ミズゴケの細胞壁の科学組成が分解を妨げ、嫌気的条件や冷涼な気候条件が
広域な地域の泥炭蓄積を可能にしています。
 
 
 
苔で断熱

地表面を覆う苔は太陽光線の反射量を増大させ効果があります。
苔が覆っている場所では土壌が露出しているところと比べ
太陽光線がより反射し大気中への熱エネルギー幅射量が少なくなり
特にスギゴケやミズゴケの仲間にみられます。

厚みのある苔マット内には適度な水分と適度な空隙があるため
外気温を近に伝えにくくする「断熱効果」があります。

苔の表面温度が22℃の場合でも苔の群生内部では
4.5℃しかなく土壌3cm下には永久凍土が残っている場合もあります。

断熱効果が高ければ高いほど永久凍土がそのままの状態で維持され
そこにある膨大な量の温室効果ガスの排出が抑えられ
太陽光線反射の効果を持つ苔は温暖化抑制に貢献しているのです。

苔マットを活用した屋上緑化では、苔の太陽光線反射効果を利用し
また、苔表面と設置面との間に空隙を設けることで断熱効果を発揮し
建物に直接降り注ぐ太陽熱を遮断することで、空調コストを下げる省エネ効果があります。


 
 
 
地球温暖化の影響

ミズゴケ湿原が広く分布する北極圏や周辺地域は
最も温暖化しやすいと言われており、今後の温暖化の影響で
ミズゴケ湿原が急速に減少する可能性が指摘されています。

ツンドラ地帯などの厚い苔のコートは
何千年も前から私達の住む地球を守ってくれてきましたが
苔のコートが破れて保護効果が薄れてしまうと取り返しの付かないことになります。

地球上の生物は自然とともに生きています。
生物の中で地球規模の自然の調和に影響することができる人類。
自分達のことだけを考えるのではなく地球や自然との調和を意識しなければならないですね。
 
 
 
まとめ

・苔はCO2を吸収し千年単位で固定してくれる
・北方域の湿原地帯には大気中のCO2の炭素と同じ量が埋蔵されている
・ミズゴケ湿地では分解が遅い
・苔は太陽光線の反射することで断熱効果がある
・苔は地球温暖化に影響している

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