いつも同じ場所に根を張りじっとしている植物も
高速度日目tで撮影し時間を縮めて観察すると
いろんな動きをしていることが確認できます。
同じように、コケ植物も面白い動きを見せてくれます。
苔の動きの中で一番観察が簡単で動きが大きいのは
蒴の開口部を縁取る歯状の突起、「蒴歯」で蘚類にだけある期間です。
役割は、胞子の散布量とタイミングを調整していると考えられていて
大気中の湿度変換に反応して開閉運動を行い
動きはゆっくりでなくググッと動きます。
この激しい動きの背景にはどんなメカニズムがあるのでしょう?
蒴歯を構成する細胞の細胞壁は成長過程で
さまざまな物質が付着することで厚くなり
蒴歯が成熟して完成される段階で細胞は死に細胞壁だけが残ります。
隣り合った細胞の細胞壁が背中あわせになったものが蒴歯となるのです。
裏と表のように重なり合った二枚は厚みが違い
水分の吸水・膨張率が異なるのです。
蒴歯の役割として胞子を飛ばすタイミングを開閉によって
調整すると考えられていて、大気が湿った状態か
反対に感想した時が望ましいか環境によって異なる反応をみせ
蒴歯の開閉運動一つとっても合理的にできています。
何度か開閉を繰り返し蒴歯がぼろぼろになる頃
胞子はほどんんど残っておらず、役割を終えるのです。