ウマスギゴケやオオスギゴケは苔庭によく使用される蘚類で
ふんわりとした群生をつくります。
一本を抜いて見ると、先端から数センチは緑色の部分で
その下に長い茶色の茎が隠れていることがわかります。
この茎を観察してみると、ついている葉の密度と大きさが
場所により異なっていることがわかります。
小さい葉が詰まっている短い部分と
大きな葉が少し離れてついている長い部分が
交互に生えています。
これは季節によって成長度合いが異なるためで
春から夏にかけての成長に適した時期は活発に茎が成長するが
冬季は成長が鈍るからです。
木の年輪のように、一本の地上茎の年齢をある程度把握することも可能です。
イワダレゴケは土や岩の上を這う大型の蘚類で
少し標高の高い針葉樹林の林床などで多く生息しています。
イワダレゴケは茎の途中から新たに次の茎が生じるが特徴です。
次の年の茎が前の年の茎の途中から出ることを仮軸分枝と呼びます。
1年に1回分枝が起こるので、分枝の数を数えることで
ウマスギゴケの場合よりも地上茎の年齢を把握することができます。
コウヤノマンネングサやフジノマンネングサなどの大型で
地上茎が立ち上がる蘚類では新しい茎が地面下の根本部分から出て
地面下を長く伸び地下茎状になり、春に先端が地上に立ち上がって
新しい地上茎となります。
イワダレゴケやコウヤノマンネングサは
地上茎が約三年ほど緑色で光合成を行い
それ以上経つと茶色に変色して終わりをむかえます。
土を掘り見てみると、6~7年分の地上茎が繋がっていることがわかります。
まとめ
・茎を観察することである程度苔の年齢がわかる
・スギゴケは季節の成長度合いの差で年齢が把握できる
・年に1回、仮軸分枝が起こるので年齢が把握しやすい