普段目にする苔はどのような状態でしょうか?
ほとんどは1つの塊で見る事がほとんどだと思います。
小さな生物は過酷な生存競争を勝ち抜き確実に子孫を残すため
群れをつくり生きています。
1体では小さな苔も同じことが言え
私たちが普段見る苔はコロニー(群生)を形成して生きています。
では、コロニーをつくることの利点はどこにあるのでしょうか?
単体での苔は、
①水を吸収する根をもたない
②表面がロウ物質で覆われていないため水分を体内に留めておくことができない
③雨や霧から水分を吸収してもすぐ蒸発してしまう
という状況におちいってしまいます。
これらの事をコロニーを形成することで下記の状態に変化します。
①水分
雨や霧で得られる水分をできるだけ大きな面積で受け止める事ができ
スポンジのように水分を貯めておくことができる
②保水
1本1本の苔が空気に接する面積が小さくなり
植物から求職に水分が蒸発するのを防ぐことができます。
(1本の場合とくらべ5~10倍の差があるといわれています)
③温度
高山や極地で周りの温度よりもコロニー内部の温度は
2~4℃高く、これにより低温環境で生き延びることができます。
苔はコロニーをつくることで様々な環境に適応し
厳しい環境でも生き延びているというわけですね。