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苔について

育成する土壌が決まっている苔

池田 将人
AUTHOR 池田 将人

みなさんは苔が生えているのをイメージした時
どんな環境を想像されますか?

おそらく、庭の片隅の湿った土の上などを想像されているでしょう。

実は、苔が生えるのは土の上だけではなく
岩の上や木の幹にも生えるのです。

しかも、何の上に生えるか種類によってほぼ決まっています。

土の上に生える種類はどんな場所でも土の上に生えてきます。
岩の上に生えているように見えても、岩の上だったりします。

苔を採取するときは他の植物の場合と違い
何の上に生えているかを記録します。

なぜ生える場所が決まっているかは、苔のまだわかっていないことの一つです。

苔が育成するの場所は
「土の上」「岩の上」「樹幹」の3つに別けることができます。
 

 

土の上

土の上ではさまざまケースがあり
赤土など粘土状の土、砂利が多い土、彼はや小枝が混じっている腐葉土など
種類によってどんな土壌に生育するかほぼきまっています。

苔庭でよく使用されるウマスギゴケやオオスギゴケは
水はけの良い土壌が適しています。

コウヤノマンネングサやオオカサゴケは
腐葉土に大群落をつくっていることがよくあります。
 
 
岩の上

岩の上に生育する場合、岩が塩基性か酸性であるかにより
すなわち石灰岩かそうでないかにより、出現する種類が違うことが知られています。

石灰岩に生育する種類は必ず石灰岩に出現し、他の岩に出現するのは稀です。

樹幹の上

樹幹に生育する場合、岩上の場合ほど顕著ではないようです。
ただ、樹種によって樹皮の形状の違いや樹皮が剥がれややすいなど
苔が生育しやすいかそうでないかはあるようです。

なぜ生育する場所が決っているか?

それぞれの苔の種類はなぜ特定のものの上に生育するのでしょう?
各生育条件を比べてみると、水分条件が異なることは簡単に予想できます。

苔の繁殖方法を考えた場合、どこに生育するか決まっているのは不思議です。
苔は胞子や無声がと呼ばれる繁殖器官によって増え
胞子の大きさは直径20ミクロンほどになり、空気中を長時間漂ういます。

胞子がどこに付着するか選んでいるとは考えられません。
無差別に様々なものに付着しているでしょう。

胞子や無声がは適した条件下であれば、どんなものの上であれ発芽するはずですが
苔の種によって生育する場所が決まっているのは、胞子や無性芽から苔の植物体が形成されるまでの過程で
なんらかのドラブルが生じていることが想定できます。

しかし胞子や原糸体の芽はとても小さいため観察が難しいようです。

まとめ
 
・苔が何の上に生えるか種類によってほぼ決まってい
・苔が育成するの場所は「土の上」「岩の上」「樹幹」の3つ
・なぜ生える場所が決まっているかはまだわかっていない