
人類は昔から、いろいろな植物などを薬として使い
病気の症状を抑え、治療するために活用してきました。
現在では、植物などから有効成分を取り出し
さまざまな化学反応を加えて優れた効果のある物質に変化したものや
天然の物質と同じ構造の物質を科学的に合成したものが薬として使用されています。
新薬の開発には、コンピューターによる分子設計の技術が使われていますが
まだまだ天然の物質である植物が生産する物質には未知の有効成分があると考えられています。
薬草園などで栽培されている植物は被子植物がほとんどで
苔を薬に使う伝統は日本にはないですが、中国やヨーロッパでは
20種類ほどの苔が鎮痛剤や利尿剤などの薬用に使用されています。
以前、HappyMOSSブログでも紹介しました苔の薬に関する記事はこちら。
苔の成分にはがん細胞を抑制する効果がある!?
苔類の細胞の中には、油体とよばれる物質が存在し
文字どうり油のように水に溶けにくい物質が含まれており
この物質はテルペン類(天然ゴムもテルペン類)とされています。
苔の研究が進むにつれ、テルペン類以外にも複雑な物質が発見されており
苔類を研究することで初めて見つかった物質は約300種あるそうです。
しかし、苔は体が小さくなんとなく地味、名前を把握するのも困難なため
研究しようとする科学者が世界でも少なく、分析がされた苔類は全体の5%程度にすぎません。
このため、苔類にはまだまだ未発見の物質が多くあると考えられ
少数の科学者で人や動物の培養細胞、昆虫や他の植物、細菌、
エイズウィルスの酵素に与える影響も研究されており
毎年のように新しい性質をもった物質が発見されています。