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苔庭に生えた雑草対策|手で抜く方法や除草剤の注意点も解説

つばき
AUTHOR つばき

苔庭を作り上げる喜びは素晴らしいものがありますが、美しさを維持するためには定期的な手入れが欠かせません。
苔が成長して庭全体を覆うまで、雑草との戦いに直面することがあります。
つまり手入れを怠ると雑草が生い茂り、美しさが台無しになる可能性もあるのです。
さらに苔の中に雑草が生えてしまった場合、どのように取り除けば良いのか疑問に思う人もいるでしょう。
そこで、今回は苔庭に生えてしまった雑草に対処する方法について解説します。

苔庭に生えてくる雑草の種類とは?

苔庭は雑草が少ないイメージがありますよね。
たしかに苔が成長してくると雑草も生えにくくなると言われていますが、植え付けた直後は苔の密度も低く、高さも低いため、雑草が生えやすくなるようです。
最初の数カ月間は、たんぽぽ、イネ科、スギナ、カタバミなどが生えてくることがあるので、早めに処理する必要があるでしょう。
特に根が土の中で複雑に広がっているカタバミなどは、苔を傷つけずに取り除くことは難しいとされています。
雑草を抜く際にも、大量の土や苔が一緒に取れてしまうことがあります。
この結果、雑草が再び生えやすくなり、苔庭の維持も難しくなっていくのです。
そのため雑草が広がる前にしっかり対策しておくことが大切です。

苔庭に生えてきた雑草を除去するためには?

ここからは、苔庭に出てきた雑草をどのように取り除いていけばいいのかを説明していきます。

手で抜く

最初におすすめするのは、手作業で雑草を一つ一つ摘み取る方法です。
「原始的な方法だな」と思うかもしれません。
たしかに手で抜く方法は、一定の体力と忍耐力が必要ですが、手間をかけることで、苔庭への愛着が深まります。

除草剤を使用する

雑草が広範囲に及んでいる場合や、効率的に雑草を除去したい人は、どうしても除草剤に頼りたくなる人もいるでしょう。
ただし雑草を取り除く作業で、大切な苔まで傷つけてしまっては、苔庭が台無しになる可能性もあります。
苔に使用できる除草剤も限られているため、適切なケアを行うことが大切になってきます。

苔庭に生えてきた雑草を手で抜く方法

除草剤を使用したくない人や、コストをかけずに苔庭を維持したい人は、手作業で雑草を取り除くしかありません。
ここからは苔庭に生えてきた雑草を手で抜く方法についてまとめてみました。

準備するもの

手で雑草を取り除く前に、以下のものを準備しておくとスムーズです。
1、 手袋(園芸用)
2、 小さな庭用ツール
3、バケツや袋
4、膝あてやクッション

・水(水分補給用)
・帽子と日焼け止め

手袋(園芸用)

雑草を手で取り除く際には、素手ではなく手袋を着用してください。
雑草には皮膚を刺激する成分やトゲがある場合もあり、手を保護するために手袋が役立ちます。
布製で手のひらがゴムになっている手袋を選ぶと作業がしやすいですよ。

草抜きツール

雑草を根元からしっかりと取り除くためには、草抜きツールがあると便利です。
例えば垂直に引き上げられる除草フォークや、ねじり鎌が使いやすいでしょう。
ホームセンターはもちろん、Amazonや楽天市場などでも販売しているので、雑草を取り除く前に必要な道具を用意しておくことをおすすめします。

バケツや袋

抜いた雑草をまとめて処分するためのバケツや袋を準備しておきましょう。
雑草を外に出して天日干しすると、ゴミ袋のスペースが節約できるため、抜いた雑草は乾燥させておくことをおすすめします。

膝あてやクッション

地面に座って作業する場合、膝や足への負担を軽減するための膝当てやクッションがあると快適です。
また、作業中は、水分補給のために水を用意しておきましょう。
外での作業中は、紫外線から肌を守るために帽子と日焼け止めを使用することをおすすめします。

雑草の抜き方

雑草を手で抜く際には、片手で苔の根元をしっかりと押さえ、もう一方の手で地面に近い雑草の茎をつまんで、根ごと引き抜きます。
大きく成長した雑草は、根元に鎌などを差し込んで、周囲の土を少しだけ削って掘り起こします。
成長した雑草は根も広がっているため、無理に引き抜くと途中で根が切れてしまったり、苔がはがれやすくなったりする可能性があります。
特に、植えつけた直後は、無理に雑草を引き抜くことは避けてください。
苔はデリケートな段階にあり、力任せの作業が乾燥を引き起こす可能性があるためです。

苔庭に生えてきた雑草に除草剤を使用する場合

雑草は、高さが3cm未満の段階で取り除くことが望ましいとされています。
雑草が広い範囲に広がっている場合や、手で抜くのが難しい場合には、除草剤を使う必要もあるでしょう。
中には「苔庭に除草剤を使用することは可能なのか」と疑問に思う人も少なくありません。
ここからは、苔庭に適した除草剤について解説していきます。

苔庭の雑草に適した除草剤の種類とは

苔を残しつつも、雑草を除去できる除草剤は何か知りたいですよね。
そこで「ハッピーモスさん」に尋ねてみました。

ハッピーモスさんおすすめの除草剤

ハッピーモスさんによると、除草剤は「プリグロックス」が適しているそうです。

「プリグロックス」とは、パラコートを成分とする除草剤で、接触速効型の非選択的除草剤です。
根まで到達して枯らすタイプではなく、薬剤が触れた部分だけがしおれる特性を持っています。
大切な苔庭を害することなく、雑草だけを枯らす効果が期待されています。

プリグロックスの特徴

プリグロックスの特徴を見てみましょう。
・1日で効果が現れやすい
・雨や低温にも安定している
・対象箇所だけを枯らすので、作物の栽培中でも利用しやすい
・土壌への影響が迅速に減少し、散布後すぐに種撒きや植え付けができる
・幅広い作物に適用できる

根まで枯らす除草剤を多用すると、苔が枯れる可能性があるほか、地盤が弱まって作業がしづらくなる可能性もあります。
根まで枯らす除草剤とは違い、プリグロックスは根まで枯らす効果はありません。

準備するもの

除草剤を使用する際には、薬剤の効果を最大限に引き出すと同時に、安全性を確保するために以下のものを準備しておきましょう。

1、肌を露出しない服装(上下別のカッパ)
2、ゴム手袋
3、ゴーグル
4、マスク
5、噴射機
6、希釈用の水
7、スポイト

肌を露出しない服装(上下別のカッパ)
肌を薬剤から保護するために、長袖や長ズボンのカッパを着用します。

ゴム手袋

手に直接薬剤が触れることを防ぐため、ゴム手袋を必ず着用しましょう。
皮膚への薬剤の直接接触を防ぎます。

ゴーグル

飛び散る薬剤や風による飛散から守るために、目にゴーグルを着用してください。

噴射機

薬剤を均一に散布するための道具です。
散布範囲を制御し、無駄な散布を減少させます。

希釈用の水

薬剤を希釈するための水を用意します。

作業効率を向上させることはもちろんですが、作業中は自分の安全も確保してください。

希釈する量

計量する際には、キャップではなく10ccのスポイトを使用しましょう。
水10リットルに対して50ccを希釈して、効果があまり感じられない場合は、1週間後に再度散布してください。
一方、水10リットルに100ccの希釈を使用すると、気温によっては薬害が生じる可能性があります。
散布する際は、大量に撒く必要はなく、サッと撒けば十分です。
使用後に残ってしまった雑草は、手で取り除いてください。

基本的には、雑草のビル前に、手で取り除いたり、除草剤を使用したりして、こまめに維持することが、苔庭を美しく保つ秘訣です。

除草剤の手順

以下の手順で除草を行いましょう。

1、 伸びている雑草があればあらかじめ刈り取っておく
2、 噴射機を用意する
3、 除草剤を水で希釈する
4、 枯らしたい植物に希釈した除草剤を撒く
5、 約1週間後、枯れ残った雑草があるか確認する
6、 枯れていなければ再度除草剤を撒くことを検討する

散布後は少なくとも1日は庭に入らないようにしてください。

苔庭に除草剤を使用する際の注意事項

風が強い日には、除草剤が他の作物に付着するリスクが高まるだけでなく、均一な散布が難しくなる可能性もあります。
周囲の人や動物への薬剤曝露のリスクも増えるため、風の強い日には散布を避けてください。
プリグロックスは広範囲に使用できますが、雑草が成長する前の段階で使用することが効果的です。雑草が大きくなる前に散布することを心がけましょう。

【ハッピーモスさんからのアドバイス】

夏の日中に除草剤を撒くことは避けて、気温が下がってきた16時以降に散布するのがおすすめです。気温が高い場合、苔にも影響が出る可能性があるため、注意してください。
また、必要以上に散布する必要はなく、さっと散布していただく程度で大丈夫です。
必要あれば、適宜散布して下さい。

プリグロックスを購入する場合

プリグロックスは、医薬用外劇物として分類されています。
購入時には、以下のものが必要です。

・劇物譲受書用紙の提出
・印鑑
・身分証明

購入の際には、注意しましょう。

購入場所については、農業協同組合(JA)で入手可能です。
劇毒物を取り扱う際には、毒劇物取り扱い免許や毒劇物取り扱い責任者の配置が求められ、さらに保管庫など特別な場所が必要です。
そのため、ホームセンターの陳列スペースに、劇毒物は置かれていないことが一般的です。

雑草をそのままにしておくとどうなるのか

雑草はそのままにしておくと、土壌の養分や水分を奪うほかに、栽培中の苔に十分な日光が
届かなくなる恐れがあります。
一度雑草で苔庭が覆われてしまうと、手で抜こうとしても苔が傷ついてしまったり、除草剤を使用しても枯れた草が混ざってしまったりと、景観が損なわれてしまう可能性があります。
元の美しい苔庭に戻すことも時間がかかるため、雑草が増える前に除去することが大切です。

苔庭に雑草が生えないようにするためには?

できれば苔庭に雑草が生えないようにしたいものですよね。
どのようにしていけばいいのかまとめてみました。

苔の植え付け前に除草シートを使う

一般的に、自宅庭で雑草対策を行う際には、主に「防草シート」や「固まる防草土」という方法が用いられます。
適切に施工できればどちらの方法も数年以上にわたって雑草を防ぐことが可能です。
特に、新しく苔庭を作る予定であれば、防草シートを使用することをおすすめします。

できるだけ早く雑草を抜く

雑草が小さいうちに手で抜くことも大切です。
成長する前に根こそぎ取り除きましょう。
雑草が広がる前に対処することで、管理も楽になってきます。

新たな雑草の持ち込みを防ぐ

新しい植物や土を導入する際には、雑草の種子や胞子が混入しないように注意しましょう。
植物を購入する際には、信頼性のある園芸店や苗床から購入することをおすすめします。
品質管理が行き届いている場所からの購入ならば、雑草の混入リスクが低くなります。
新しい土を導入する場合も、袋詰めされたものを選びましょう。

庭具を清潔に保つ

庭具や鉢なども雑草の持ち込み源となる可能性があります。
使用前に洗浄することが大切です。
雑草を取り除く際には、雑草の種子や胞子が拡散しないように注意してください。

完全に雑草を防ぐことは難しい

鳥や風が種子を拡散させることで、新たな雑草が庭に広がることがあります。
どんなに雑草対策をしても、完全に雑草を防ぐことは難しいでしょう。
このため、定期的な除草や予防対策を行うことが大切になってきます。

まとめ

今回は、苔庭に生えてくる雑草対策についてご紹介しました。雑草は苔庭の美しい景観を損なうだけでなく、栄養や水分を奪うほかに、病原菌の温床となる可能性があります。
苔庭の雑草対策には手作業での除草がおすすめです。雑草が小さいうちに定期的に手で抜くことで、苔庭の美しさを保てます。
雑草の根元をしっかり持ち、丁寧に抜くことを心がけましょう。
除草剤を利用する場合には、プリグロックスなど、苔に適した除草剤を選び、風の強い日や高温な日には散布を避けるようにしましょう。希釈率にも注意してください。
雑草を完全に防ぐことは難しいですが、定期的な対策をしながら、美しい苔庭を保ちましょう。