
苔を自宅の庭で育てるにはどうすれば良いか、今まで2つの記事にまとめてきました。
庭づくりには石や岩が欠かせず、どんな形であれ大きく関係していると感じています。
例えば、区切りや水場に置かれた石や岩、加工された敷石、玉砂利、メインオブジェとしての大きな岩や灯籠などです。
歩くための敷石に苔が生えていると滑って危ないのですが、歩くことのない石や岩に苔が生えているさまはとても魅力的です。
そこで今回は、石や岩に苔を活着させる方法についてお伝えしていきます。
「苔むした庭にたたずむ石灯籠のように」とまではいかなくても、石や岩に気軽にグリーンを足すことが出来たらとても素敵ですよね。
目次
石や岩の上で苔を育てるには
土のような柔らかい土台があって苔が増えていくのは、とてもイメージしやすいのですが、石や岩だとどうなのでしょうか。
でも、よく考えてみたら……
日常生活の中で一番よく見るのは、ブロック塀や河原の石に苔が生えているところではないでしょうか。
自然に増えるならまだしも、自分で狙ったところに苔を増やせたら楽しそうですよね。
塀の苔は取り除きたいと言ってみたと思ったら、今度は育てようなんて!
人間ってちょっと身勝手だなと感じてしまいました。
石や岩の選び方
磨いてあるようなツルツルの石や岩には、初心者が意図的に苔を増やすことは難しいようです。
小さな穴がたくさんある溶岩石や、アクアリウム用のゴツゴツしたものにしましょう。
すでに庭に設置してある場合は、できるだけ凹凸のある部分から始めるのが良いですね。
大きな岩の窪みのある箇所や、でっぱりの下なども活着させる場所としておすすめです。
苔の選び方
屋外で動かすことのない大きな石や岩の場合は、日あたりから苔の種類を選んでみましょう。
近くに育てている苔があれば、まずはその種類で試してみると良いですよ。
用意するもの
- 苔
- はさみ
- モビロンバンドやテグス
※モビロンバンドは透明な輪ゴムのような形をしていて、ポリウレタン製で丈夫なバンドです。透明なので目立ちにくく手軽に使えます。
大きな岩にはテグスという風に使い分けてみましょう。
- 霧吹きやスポイト
- 水
- 苔を洗う容器やトレイ
実際にやってみよう
実際の手順を見ていきましょう。
方法は2種類ありますよ。
方法その1
カットしないでそのまま使用します。
苔をほぐして土などを洗い流す
用意した苔を株ごとに分けて、汚れを洗い流します。
ピンセットだと、より作業しやすいですね。
このように作業することを考えると、あまり小さな種類よりは、茎の部分がわかるくらいの大きさ、種類にした方が失敗しなさそうです。
苔を固定する
株にわけた苔を、石や岩の上に寝かすように仮置きします。
育った時の状態をイメージして、デザインするように配置してみましょう。
配置が終わったら、テープかテグスでしっかり固定します。
寝かせた株から新しい芽が育っていくので、固定したテープは成長していくと目立たなくなります。
ある程度成長したらテープは取り除いても大丈夫です。
屋外の岩で、モビロンテープでは固定しにくい場合は、テグスで代用できます。
方法その2
苔をカットしてから撒く方法です。
苔をカットする
方法その1と同様に株ごとに分けた苔を、小さくカットしていきます。
手入れのためにカットして残ったものを、捨てないで利用しても良いですね。
苔を撒いて固定する
カットした苔を石や岩の上に撒きます。
育ったところをイメージして、ところどころに置いていく感覚です。
配置できたら、モビロンテープ、テグスで固定します。
岩のくぼみのような場所や、溶岩石なら、固定しなくてもそのまま育てられます。
ただ、屋外では風に飛ばされるなど、思わぬ天候に困らされる場合があります。心配でしたら、固定しておきましょう。
同じ屋外でも、保護できるような水槽やケースで育てる場合は、そこまで気をつけなくても大丈夫です。
共通の作業
どちらの方法でも、出来上がったら水をあげておきます。
霧吹きでもスポイトでもかまいませんが、撒いただけの場合は霧吹きを使ってください。
勢いよく水をあげすぎて、流れてしまわないように気をつけましょう。
普段のお手入れは、様子を見ながら水をあげていきます。
家の中でも応用してみる
苔を石や岩に固定して育てられるとなると、テラリウムや家の中での観賞用も、同じ方法でできますよね。
手のひらにのる、小さなサイズの溶岩石やオブジェに活着させてみるのも楽しそうです。
小さい物であれば石も手に入りやすいですし、より気軽に挑戦できるかと思います。
まとめ
今回は、苔を石や岩に活着させる方法について説明しました。
一般的な植物の植え方と、全く違うことがおわかりいただけたのではないでしょうか。
- 切って置いて固定
- 撒いて固定
- ただ撒くだけ
と、文字にしてもかなりインパクトがあります。
すでに育てている苔があればすぐにでもできそうな手軽さに、驚きました。
せっかくですからボリュームのある種類を、石の上で育てたいですね。