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苔が美しい京都のお寺3選!

りさこぐま
AUTHOR りさこぐま

美しい日本庭園を思い浮かべるとき、鮮やかな緑色の苔庭を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
飛鳥時代には、お客様をもてなすための日本庭園の基本となる形ができていたようです。
苔が日本庭園に用いられるようになった明確な時期は不明ですが、平安時代には苔庭の美しさを詠んだ歌があることから、古くから人々に親しまれてきたと考えられます。

特に、京都には美しい日本庭園を有する寺院が多く、苔庭を目当てに観光される方も多くいらっしゃいます。
毎日丁寧にお手入れされた美しい苔庭を見たい方は、京都のお寺巡りをしてはいかがでしょうか?
今回は、京都に数ある寺院の中でも、特に苔が美しいお寺3選をご紹介いたします。

西芳寺(苔寺)

「苔寺」という名で全国的にも知られている西芳寺。
開山1300年と長い歴史を有しています。
苔の名所としては外せないスポットで、世界文化遺産にも登録されています。
寺院内では庭園部分のみならず、園路も苔に囲まれているためゆっくりと散策するのはいかがでしょうか。
西芳寺では、参拝される方が心静かに自分自身と向き合う時間を持てるように事前申込制による少人数参拝を採用しています。
写経が体験できる日々参拝と、禅の教えに触れられる折々参拝の2種類から選べます。

西芳寺で見られる苔の種類

シラガゴケ類

オオシラガゴケなどのシラガゴケ類は、その名の通り季節によって白髪のように白く色づくのが大きな特徴です。
温暖で水分の多い場所では、薄緑色のまま成長することもあります。
山の斜面などに自生することが多く、存在感のある苔です。

ヒノキゴケ

数ある苔の中でも、美しいとされているヒノキゴケ。
湿った場所を特に好み、大きな塊を作って自生するのが特徴です。
ふんわりとした、柔らかな印象を与えてくれます。

慈照寺(銀閣寺)

室町幕府8代将軍・足利義政公が建てた別荘が始まりと言われている慈照寺。
銀閣と呼ばれる観音堂は国宝として有名です。
そのほかにも、モダンな印象を与える銀沙灘・向月台も見どころとして知られています。
山裾を利用して造られた回遊式庭園では、数多くの種類の苔が楽しめます。
境内の南東部にある洗月泉と呼ばれる小さな滝はパワースポットとしても知られ、周囲の石や岩に生える苔がしっとりとした空間を作り出しています。

慈照寺で見られる苔の種類

コバノチョウチンゴケ

深緑色が美しい、コバノチョウチンゴケ。
胞子が入って膨らんだ蒴(サク)の部分がチョウチンに似ていることが名前の由来とされています。
新緑の季節に特に美しい緑色になり、苔庭を鮮やかな印象にしてくれます。

アカイチイゴケ

ハイゴケ科のアカイチイゴケ。
苔の中でも少し珍しい赤~紫に変色する苔です。
主に冬以降に赤みを帯びるとされ、緑が多い苔庭の中では存在感があります。

龍安寺

「京都の庭園」といえば、まず龍安寺が出てくる方は多いのではないでしょうか。
この石庭は、国の史跡・特別名勝に指定されています。
波状にされた白砂に、15個の自然石が配置されているシンプルな枯山水の平庭です。
その魅力はシンプルさだけではなく、どの角度からも全ての石を見ることができない不思議な作り。
海外の観光客も多く訪れ、スティーブ・ジョブズがこの石庭を見るために来日したとも言われています。
石庭のみではなく、苔が美しいことでも知られている龍安寺。
苔が地面をじゅうたんのように覆った苔庭で、静かに心を落ち着ける時間を過ごすのも乙ですね。

龍安寺で見られる苔の種類

ウマスギゴケ

スギゴケ科の中でも小型なウマスギゴケ。
半日陰から日当たりの良い場所に自生する苔で、風通しの良い場所を好みます。
苔庭でよく使われている品種の一つです。

京都で、苔を味わう一日を

今回は、京都にある苔が美しい寺院をご紹介しました。
今回投稿に使用した写真は、全て自分で撮影したものです。
実際に京都の寺院を巡り、美しい苔を目にして心が洗われるような気持ちになりました。

寺院の庭園には欠かせない存在の苔。
ご紹介した種類を覚えて寺院を巡れば、新たな視点で楽しめるかもしれません。
ぜひ、苔に注目した寺院巡りで、京都を満喫してみてください。