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苔について

アイドル苔ばかりじゃない!身近にある苔の渋い魅力を知る

カケラ
AUTHOR カケラ

最近の苔の人気と言えば、苔庭や苔テラリウム、苔玉を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし、苔は昔から身近な場所にたくさんありました。
今人気の苔たちとは違い、よく目にする苔はなじみがあって見かけると安心しますよね。
今回は、身近で出会う機会の多い「ギンゴケ」「ホソウリゴケ」について掘り下げていきます。
ギンゴケもホソウリゴケも、コンクリートやその隙間に生息できるタフな苔です。
聞いたことがないな……という方も、きっと気がつかないうちに目にしていますよ!
身近な苔にどのような特徴があるのか知ると、少し見る目が変わってくるかもしれません。
どうぞ、ぜひ最後までご覧くださいね。

ギンゴケとは

ギンゴケは、道路の端やコンクリートに適応できる強さがある苔です。
過酷な環境でも増えていけるため、南極や山の山頂付近でも確認されています。

乾燥に強いもの同士の共生

群生しているギンゴケにはクマムシがいる可能性も高く、安易に採取してきて家で育てようとしても、蒸れてカビが発生し枯れてしまうなど、うまくいかない場合が多いのも特徴です。
乾燥という環境に対応できる点では、ギンゴケもクマムシも同じですね。

苔というと、湿気の多い場所とセットでイメージする方も多いのではないかと思いますが、ギンゴケは湿気を嫌い、蒸れすぎるとカビが発生しやすいため、コンクリートのような乾燥している場所でも強く生き抜いていけるのです。

葉の先端が特徴的

ギンゴケの先端部分には葉緑素のない部分があります。
この部分のおかげで強めの日差しにも耐えられるといわれており、他の植物や苔と比べてみたときに、白や灰色がかって見えるのはこのためです。
強い光の当たる場所のギンゴケほど、この白い部分が多いといわれています。
道路脇や塀に白っぽい苔の群生を見つけたら、注意して見てみてください。
土やホコリをかぶっているのではなく、ほとんどの場合ギンゴケです。
明らかに他の苔と違う色味の特徴は、ギンゴケの名前の由来でもあります。
また、盆栽に使われることがあるため、多くはありませんが販売もされています。

育てる際には洗って虫などを取り除き、その大きさのまま増やしたい容器に用土を入れて置くか、時間があるなら撒いて増やしても良いでしょう。

ホソウリゴケとは

ホソウリゴケは、コンクリートの隙間や塀などにギンゴケと一緒に生えていることが多く、こちらもタフな苔。
敷きつめられたじゅうたんのような見た目で、ギンゴケよりも濃い緑色が特徴です。
雨上がりには緑がより一層きれいになるので、もこもこした絨毯のようで大変魅力的です。
群生も良いのですが、近くで観察すると葉のきれいさに驚くはず。
増やす際は、きれいに洗って虫などを取り除いたうえで、撒き苔をしていきます。
ペーパーなどで飛んでいかないよう保護し、芽が出て定着するまでは霧吹きで乾燥を防いでください。
丸く増えていったら風通しの良い場所で蒸れないようにしてあげましょう。

共通の特徴

共通の特徴は、苔のなかでは乾燥に強いことです。
出先できれいだと思い許可を取って持ち帰ってきたとしても、蓋をするような蒸れる容器では簡単に枯れてしまいます。
気軽に目にすることが出来ても、家で増やすのは簡単ではありません。
風通しを良くし、光のある場所でないと難しいでしょう。

苔テラリウムには不向き

2つの苔の特徴からもわかるように、密封性の高いテラリウムの容器で育てては枯れてしまいます。
残念ですが苔テラリウムには不向きです。
家で育てたい場合は、風通しの良い屋外で鉢や浅い容器の上で育ててみましょう。
自然に生えている状態を考えると、乾燥した状態を保てるようにしておくことが大切です。
また、家の中で育てるのはあまりおすすめしません。
枯れやすいということもありますが、乾燥している苔には乾眠状態のクマムシがよく見つかります。
厳密には虫ではなくて、顕微鏡で見られるほどの大きさのものなのですが、苦手な方にとってはやはり気持ちの良いものではありませんよね。

身近な苔の楽しみ方

少しふれましたが、乾燥を好む苔の楽しみ方としては、やはり盆栽や庭の片隅に群生させるのが良さそうです。
きちんとした盆栽でなくても、余っている陶器や鉢などで育ててみるだけでも、渋い魅力が味わえます。
許可を取って採取してきたものや、庭で見つけた苔を別の鉢などに移す場合は、下についている土を洗い、増やしたい場所にきれいな用土を用意して置くか、苔の部分を撒いて増やしてみてください。
もともとついていた下の土やゴミから、カビが発生することがあるためです。
小さなオブジェなどに増やすのもとてもかわいらしく、特にホソウリゴケは色味を楽しめます。

また、雑草を抜いている時や、お庭の手入れをしている時「どうしてこんな乾いた場所に苔が生えているんだろう」と感じたことはありませんか?
そういった身近な苔を、一箇所に集めて群生させていくのも簡単に楽しめる方法です。
自然に生えている状態を利用してみるのも実験のようで面白味があります。
気がついたらテリトリーを広げて、育ってくれているかもしれませんよ。

さいごに

今回は、身近にある2種類の苔について解説してきました。
ギンゴケ、ホソウリゴケ、覚えて頂けましたでしょうか。
テラリウムなどで人気のある苔とは、同じ扱いをされているとは言えないタイプの苔です。
ですが特徴を知っていくと大変面白く感じてきます。
身近な苔の種類はまだありますので、気になる苔を見つけたらぜひ、画像を撮ってどんな種類の苔なのか調べてみてくださいね。